
エッセイ・長野蕎麦事情と私
信濃では月と仏とおらが蕎麦。。という信州所縁の俳人 小林一茶の俳句があります。
長野市内にこの俳句の碑もあったように思います。トイーゴの近くだったような記憶がありますが。。。
「月」。。近年は夜通しの街灯りで空がずいぶん明るくなっているものの、信濃の空に浮かぶ月の澄み渡る美しさは、はっと息を飲んでしまうほどの日もあります。
「仏」というと 長野市は全国的にも名高い善光寺のある市です。お膝元に住んでいても、善光寺に行くのは、初詣や、先日の節分会など、高揚感のある、いわゆる「ハレの日」が多いです。
「牛に引かれて善光寺参り」「遠くとも一度は詣れ善光寺」。。。門前周辺には江戸時代から創業されている蕎麦店がたくさんあります。
「蕎麦」。。
全国屈指の「そばの里」として、長野は有名です。蕎麦処 信州、そして中でも長野市には、
長野駅周辺、善光寺周辺、そして日本三大そばのひとつ、戸隠。本当にたくさんの蕎麦店があります。地元に住んでいると逆に改めて「老舗の蕎麦店」に入ったりする機会があまりないように思えます。
どの店も伝統の味を守りそれぞれが微妙に違う暖簾の味を守り続けているのでしょう。
先日の善光寺を平和を願う五色の灯りでライトアップされていた長野灯明祭りでは、「門前そば屋のそば食いねえ!」というスタンプラリーイベントがありましたが、2月10日から18日の短い間ではとても無理でした。これは長野市内のそば店、制覇に向けて、
たいへん励みになるイベントなので、ぜひともせめて夏くらいまでにして「夏までに蕎麦屋にゴー!」とか!?長い目でみたイベントにして欲しかったです。その夜は、はじめて「かどの大丸」に入ってみましたがそれにはこんな理由がありました。
とある晴れた1月下旬の平日、その日は仕事も休みで、私はかなり機嫌よく自転車で、ぱてぃお大門付近を徘徊していました!(^o^)「かんてんぱぱドレッシングの和風が終わっちゃってたから買おう〜♪」
すると、ひとりのおじさんが私に声をかけました。「ねえちゃん、ねえちゃん!この辺で、うまい蕎麦の店はどこだい?ねえちゃんが食べてうまい店でいいんだけど!」
断っておきますが、いや断らなくてもすでに私は「ねえちゃん」と呼ばれていい年齢よりかなりオトナになってしまっています。「お嬢さん」なら、みのもんた風だけど、ねえちゃん。。とは。。。ねえ。。ちゃんと。。(笑)
そのとき私がいたのが、ぱてぃお大門の向かい側アタリ、おじさんは駅方面から歩いてこれから善光寺へ行く途中のようです。でもまあ不思議なもので、もしもこれが「おばちゃん、おばちゃん!」と声をかけられたのなら、事実だからこそ、むっとしたりしたんでしょうけど、ねえちゃんと言われたせいではないけれど、、、
このように長野紹介ブログを開設している私としては、名古屋から来たというそのおじさんに
今こそ、いつもの長野の街情報をズバっと教えてあげようと瞬間的に、はりきって思いました。(^o^)
と、、ところが、、、です。いつも友人等から、「◯◯方面でイタリアンの店は?」とか「中華どこがおすすめ?」とか「おいしいパン屋さんは?」などと聞かれると、ぴぴぴぴと私の情報スイッチが入って、
瞬く間に、そのときよさそうなお店を数軒割り出して教えてあげるのですが、このとき、私のいつもの情報スイッチは一時的にフリーズしました。なぜかというと、トイーゴの中の蕎麦店 山故郷や、長野駅前近くの蕎麦店は数軒入ったことがあったけれど、善光寺周辺では、今おじさんが通り過ぎてきてしまった中央通の今むら蕎麦店や、老舗喫茶店ロートレックの上にある小菅亭、北野屋といった蕎麦店にしか入ったことがなく、
明らかに善光寺に行こうとしている向きのおじさんに後戻りしたり、ちょっと回り道して歩かせたりする情報を出す雰囲気ではなかったからです。そこで、ふっと見ると、新しくできた竹風堂大門店の向こうに、「かどの大丸」が見えたのです。ここは、その時はまだ入ったことがなくて、いつも店先で手打ちの技を披露しているのを思い出しました。それに前から気になっていたのは、お店の名前です。
表参道入り口の角にあるから「かどの大丸」。。。そういうネーミングが結構好きなので。。
それで名古屋から来たというおじさんに教えてあげたというわけです。「ああ、あの竹風堂っていう看板の先ね」とすぐにわかってくれたおじさん。「はい、「かど」にあります。蕎麦打ち実演もしていますよ」と私。長々書きましたが、おじさんから「ねえちゃん」と言われ、私が答え終わるまで、本当はそんなに時間はかかっていなかったのです。今は心の中の心象風景描写を詳細にしたものですから。。
でも私は自分が入ったことのないお店を紹介したのでちょっと心配でした。でも江戸時代から続く暖簾の店、きっと名古屋おじさんの期待通りの信州門前蕎麦を出してくれるだろう。。「お願いしますよ、かどの大丸さん。。」と最後は心の中で長野市民としてお願い&祈るような気持ちでした。
せっかくはるばる名古屋から来て、ねえちゃんと呼んでくれた(←やっぱり喜んでいるようです>自分)おじさんが信州蕎麦にがっかりしないようにと。。
それで、実は気になっていて、数日後の、ながの灯明祭りの夜、スタンプラリーに挑戦して15軒余りの門前蕎麦屋の印の入った風呂敷をもらいたかったけれど、混雑と期間が短いために断念し、
ようやく、「かどの大丸」に入って、その暖簾の味を確かめたというわけです。
結果は、もちろん大丈夫でした!おいしい〜♪ 歩き回って、そのうえ灯明祭りのガラポン抽選会の長蛇の列に参加して参加賞だけで、九九や旬粋の蕎麦クレープに並びかけたのに混雑していて
帰りにいったときはもうクレープ種が品切れ。。という状態でしたので、冷たくきりりと締まった打ち立ての蕎麦と、せっかくだから天ぷら付きで奮発してしまいました。おいしかったです。
名古屋おじさんもきっと。。。とちょっとまた思い出してしまいましたっけ。
かどの大丸の写真は当ブログの長野灯明まつりの記事に掲載してあります。デザートに食べた竹風堂の栗あんソフトのところです。(^o^)
そして私は思ったのです。長野市内の蕎麦店を全制覇!するなんてとても無理!!でもどの店もきっと
つゆの味、蕎麦の味が微妙に違って奥深く、それぞれおいしいのでしょうねえ。。と。
長野に生まれ住み、そして蕎麦好きとしてはあせらずに、これからも、行かれるときには、ぼちぼちとそのとき「ご縁」があった蕎麦店に入っていこう。。と。。そうしていくうちに、きっと何かがわかるでしょう。。。、
やっぱり人との出会いと同じように、どんな一品と出逢えて、それを頂けたかということは、出会いでありご縁なのだと。。長野の「食」を追求してほにゃ十年の地元民は思います。
そしてやっぱり私は蕎麦が好き。。長野が好き。。。なのかな。。。?
あ、実は「もうひとつの代表選手」「おやき」も大好きなのです。。だいたい顔をみれば、それがどこのお店のおやきなのかほぼわかる。。というわけで、次回以降の予告!!
「長野のおやき特集!」 comming soon......!乞うご期待!
長野の街の食エッセイ「長野蕎麦事情と私」 〜完〜
このような長文エッセイをもしも最後まで呼んでくださったならば、心よりうれしく、また御礼申し上げます。感想&コメントもお待ちしております。 (文責 みうみうBETTY)